映画『愚か者の身分』Z世代とホンネトークイベント開催!
10月24日(金)より全国公開する映画『愚か者の身分』が、公開に先駆け、東京にて映画『愚か者の身分』Z世代とホンネトークイベントを開催いたしました!上映後には、北村匠海、林裕太と永田琴監督が登壇し、集まったZ世代の観客とQ&A繰り広げました。オフィシャルレポートをお届けいたします!
午前9時という早い時間からスタートした本イベント。『愚か者の身分』は、現代の若者たちと隣り合わせにある闇をテーマに描いた逃亡サスペンスということもあり、映画の試写後に登壇した北村は「朝からこんなHeavyな映画を…。大丈夫ですか?元気ですか?」と観客のメンタルを気遣いつつ、「色々なお話しが出来れば」とZ世代との対話に期待を寄せた。林も「皆さんの元気が出るようにトークが楽しめれば」と観客のテンションを探ると、北村は「不思議ですよね…。僕らが元気を出させてあげるって」と笑いを誘った。
この日はZ世代の観客とのQ&Aも実施され、最初の質問として「先輩・後輩との関係性を築くうえで心がけていること」を聞かれた北村は、「似た者同士は惹かれ合うように出来ていると最近感じる。だからこそ良い先輩、良い後輩と話ができる」「自分の好きなものや得意としているものを真っすぐ伸ばしてみると、おのずと同じ道を歩んできた先輩や、これから歩むであろう後輩が自然と出来てくる」と回答。過去の名画や古い音楽が好きなことから「現場では年上の方から“あなた本当に20代?”と言われる」と笑いつつ、「好きなものを信じて真っすぐに伸ばすのは、人との関係を作る上で自分の助けになる」と実感を込めた。
一方、林は「ピュアでいること」を大切にしているそうで、「先輩や後輩とこうありたいという作為的なものではなく、自分は好きだからこの人と一緒にいたいというシンプルな感情を伝えて行動する」「その純情さは相手に伝わる。そのやり取りと自分の気持ちを大切にする」と語った。これに対し林と公私ともに交流のある北村は「僕が出会った中で一番ピュアなのが彼!撮影中に町中華に行った時に本当に美味しそうに食べていて、『こういう気持ち忘れていたなあ』と思った。そのピュアさが僕にはないから…」と自虐を交えて林の人柄を讃えた。
会場には歌舞伎町に集う若者の生態に詳しい文筆家・佐々木チワワも来場し、「撮影を通して歌舞伎町の特殊性を感じたか?」と質問する場面も。これに東京在住歴30年の永田監督は「歌舞伎町はだいぶ変わったと思った。近寄れない怖い空気はなくて、夜は観光客がいる。30年前に比べてある意味安全になっているけれど、若い世代にとっては危険。簡単に入れ過ぎて怖いと思った。劇中ではそこをオアシスにして生きる若い子たちを描いているけれど、今の歌舞伎町は不思議な場所になっていると思う」と実感を述べた。
“歌舞伎町ビギナー”という北村は、「本作ではリアルな歌舞伎町に足を踏み入れて撮影したわけですが、僕の目線の先にはラジカセを背負った兄ちゃんが踊っていて、その周りを未成年らしき若者たちが群がって踊っている。コンカフェ店員の行列があって、何のパレードなのか…カオスだなと。まさに“特殊性”という言葉が当てはまる場所だと思った」「視点を変えれば誰かにとっては天国だし、誰かにとっては地獄にもなる。その混沌を肌で感じました」と語り、撮影で感じた歌舞伎町の印象を振り返った。
林は「どういう事情があるかはわからないけれど、そこで生きている人たちは楽しそうだし、そこにいる方々にとっては生きがいのような場所になっているのだろうなと思う。裏路地に入ると薄暗い気味の悪い感じがして、ここに若い人たちがいていいのだろうかという場所があったりして…。色々な人の目が入り混じった街なのかなと。でもそこで生きている人たちは必死に生きているだけだろうし、そこは否定も肯定も出来ないと思いました」と、多面的な表情を持つ街・歌舞伎町への印象を語った。
最後に北村は「エンタメは生きる上で最後に来る娯楽だと思いますが、僕らはそこに人生をかけています。僕らみたいなものがないと人生が楽しくならないというのが現状にあると思います。娯楽はなくても生きていけるけれど、心のよりどころとして必要だと感じます。皆さんにとって今を生きる理由を探せる映画になってもらえたら嬉しいです。生きることが大変になっている世の中ですが、自分を、自分の隣にいる人を信じて生きてほしいです」とメッセージを送り、「まだ今はお昼前の時間なので、まず今日は昼ごはんに手を抜かないということを大切にしてもらいたいです」とユーモアを交えて締めくくった。
林は「悪い状況にいる時ほど、そこから動くのは大変なことで、その場にうずくまっている方が楽だと思います。でも何もしないと何も変わらない。動き出すのは勇気がいる事ですが、それは自分にとって大切な人を助けるかもしれない。その行動が自分を救うかもしれない。勇気ある一歩を踏み出すのが大切で、本作はそれを伝えている映画です。何か感じるものがあれば、ぜひSNSに書いてください」と呼びかけ、永田監督は「若い世代には頑張って生きてほしいです。SNSの時代なのでそこで何かを話せることが全てになりつつあるけれど、対面の大切さもあるので、それを感じながら沈んでいる友人や親に接していただきたいです」と思いを込めて語った。