10/25(土)公開記念舞台挨拶を実施!
10月25日(土)、映画『愚か者の身分』の公開を記念して、新宿・歌舞伎町にある劇場で舞台挨拶が行われました。
登壇したのは、主演の北村匠海さん、林裕太さん、綾野剛さん、山下美月さん、そして永田琴監督。
作品の舞台でもある歌舞伎町にキャスト・監督が集い、映画に込めた思いや撮影の裏話を語りました。
タクヤ役の北村さんは、映画を見終えたばかりの観客を気遣いながら
「この映画で僕らが見てきた景色というのは、いままでの自分の俳優人生で初めての経験がありました。感謝の多い旅だったと思います。これからはこの映画は見てくださった皆さんのもの。みなさんの人生が、この映画をきっかけに変わるといいなと思います」と語りました。
また、撮影の舞台でもある歌舞伎町での舞台挨拶については、「本当にここに立つ意味がこの映画にはあるなと思います。この映画で過ごした時間をまさに思い返せます。やっと届けられて嬉しいです」と、感慨深い表情を見せました。

マモル役の林さんは、「撮影の日々は本当に楽しかったです。特に歌舞伎町のシーンで(北村と)一緒に缶蹴りをしたのを思い出します。あんなに本気で歌舞伎町で缶蹴りをするなんて思わなかったです」と笑顔で振り返り、「その時間が映像になって皆さんに届くのが少し寂しいような、でも嬉しい気持ちです」と語りました。

梶谷役の綾野さんは、共演シーンが北村さんとのものが中心だったことに触れ、
「林くんとは初日にほんの一瞬、歌舞伎町ですれ違うだけでした。まるで『恋する惑星』みたいな感覚でした(笑)」と撮影エピソードを披露。また、自身の過去作『新宿スワン』(2015)を振り返りながら、「当時とは空気が違っていて、歌舞伎町という街が若い世代との距離を縮めているように感じました」と語りました。

希沙良を演じた山下さんは、「早朝の歌舞伎町での撮影もあったのですが、ヒリヒリするような空気を感じました。東京出身ですが、あの時間の歌舞伎町はなかなか行く機会がなくて、“これがリアルなんだな”と実感しました」とコメント。さらに、現場での北村さんと林さんの関係性について「本当に仲が良くて、まるで兄弟のようでした。楽屋でも隣に座ってゲームをしていて、役を超えてつながっている姿が素敵でした」と微笑ましく語りました。

永田監督は、「とにかく、みんながかわいかったです。剛さんも大きいけど演じている姿が本当に愛おしかったし、北村さん、林さん、山下さんの3人もワチャワチャしていて、どこもかしこも好きです!」と愛情たっぷりにコメント。
林さんからも「僕にとって永田監督はお母さんのような存在でした」との言葉が飛び出し、会場を和ませました。
この日は上映後ということもあり、キャスト陣がそれぞれお気に入りのシーンや“推しキャラ”を発表しました。
綾野さんは、梶谷とタクヤがサービスエリアに立ち寄るシーンを挙げ、
「唯一“プラマイゼロ”の時間で、タクヤという人物が一番浮き彫りになる瞬間」とコメント。
北村さんは、冒頭の“シャツを川に投げるシーン”を選び、「マモルとの関係が凪いでいるようで好きでした」と語りました。
山下さんは、タクヤとマモルが部屋でアジの煮つけを食べるシーンを選び、
「痛みの多い物語の中で、心が温かくなるシーンでした。“幸せって何だろう?”と考えさせられました」とコメント。
さらに、料理シーンで北村さんが実際に魚をさばいていたことが話題に。北村さんは「魚をさばいたのは初めてでしたが、練習してできるようになりました」と笑顔を見せ、永田監督も「おにぎりも上手なんですよ!」と絶賛しました。
林さんの“イチオシ”はなんと「剛さんの汗」!
「綾野さんはお芝居で自力で汗をかけるんです。しかもシーンによって“汗の質”が違うんですよ」と驚きの裏話を披露しました。
推しキャラの話題では、綾野さんと山下さんが木南晴夏さん演じる由衣夏を挙げ、
「作品の中で異質な存在感を放ちながらも、美しく溶け込んでいる」と綾野さん、
「希沙良とは真逆で、人生の酸いも甘いも知る女性として憧れます」と山下さんは語りました。
一方、北村さんは「マモルです!」と即答。「裕太だからこそ描けたマモル像でした」と語り、林さんは金歯が印象的なジョージ(田邊和也)を挙げ、「悪役が好きなんです。あんなに金歯が似合う人いないですよ!」と会場を笑わせました。
最後に北村さんは、「この映画はやはりマモルのものであり、林裕太のものだと思います。映画の中で“生きる”ことを授けながら、最後は全てを裕太に任せました。本当に彼がマモルでよかった」と語り、「このキャストでこの映画を作れたことを嬉しく思います。釜山映画祭での俳優賞は、監督が表彰されたのと同じです」と、永田監督への感謝も伝えました。「現代を生きる若い人たちに、この映画に込めたメッセージを感じてほしい。ずっと心に残る映画になると嬉しいです」と締めくくると、会場は大きな拍手に包まれました。
